2020年。
何かが大きく変わりそうな予感がして、
約19年間を過ごしたTOKYO FMから独立しました。
私は、声で生きていく。
そう決心してからは、水が川下へ流れるように
するすると物事が進んでいった気がします。
人の声とは非常にアナログなものです。
体調や気候によって揺らぎますし、年齢と共に変化もします。
パーフェクトな発音とイントネーションで
噛まずにスラスラと文章を読み上げることが求められるのであれば、
このAI時代において、もはや人である必要はないでしょう。
であれば、声を生業としてきた私はどうあるべきか。
どうありたいか。
行き着いた答えは、「声で寄り添いたい」と言うものでした。
嬉しい時だけでなく、悲しい時や怒りに震える時、寂しい時など
周囲の音に耳を塞ぎたくなる時でも、
鳥のさえずりのように、ふと聞こえる優しい声でありたい。
とても大それた願いですが。
世界はいま、一変しようとしています。
そんな中で、私の声があなたに少しでも寄り添えることを願って。